3Dカスタム少女



3Dカスタム少女XP


 

仕様 評価
対応機種 WIN システム

10点

ブランド名 Tech Arts 3D シナリオ

1点

ジャンル カスタムエッチシミュレーター 萌え萌え

5点

    せつなさ

9点

    素薔薇さ

9点

 





 2009年はろくに更新できず申し訳ありませんでした。仕事が忙しくなったことが主な原因なのだが、仕事に次ぐ原因が、この『3Dカスタム少女』にある。

 『3Dカスタム少女』はTech Arts 3Dが製作した3Dゲームである。当然ポリゴンなのだが、トゥーンレタリングを使用しているので、かなり2Dのアニメっぽい感じになっている。そして、このゲームは他のリアル3Dゲームに比べて非常に軽い。その分、モデルの精度に多少難があるのだが、それ以上にプログラムが上手なのか、本当に軽い。

 この『3Dカスタム少女』の流れは以下のようになっている。

 好きなパーツを選んで女の子をつくる→眺める→好きなだけHする。

 本当にこれだけ。

 ストーリーとかイベントはおろか、キャラクターの設定すら皆無という漢気あふれる代物になっている。これを本当にゲームと呼ぶのかも疑問だ。実際、メーカーもジャンルをカスタムエッチシミュレーターとしている。

 バッサリと色々なものを切り捨てただけはあって、パーツは多い、パッケには「3300種類以上のカスタムパーツ」と書かれている。まあ、3300とか言っても、ほとんど色違いで数を稼いでいるのだが。それを除いても、制服がやたらに多く、まるで『3Dカスタム女子校生』ではないかと思えるほどだ。ただ3300という数は多く、それを差し引いても、パーツの多さはたいしたものだと感心できる。


 (このソフトは画像使用がOKなので、今回は画像つきだ)

 あと、カスタムできる部位、つまりスカートとか靴とかも多く、全部で27部位(追加セットのXPでさらに2部位追加されて全部で29部位)もある。実際は、下着上(ブラジャー等)と下着下(パンティ等)と下着ワンピース(水着等)のように排他的な組合せが2つあるが、それでもたいしたものだ。

 このゲームは3Dポリゴンゲームなので、Hシーンや定められたポーズを好きな角度や位置から見ることができる。

 あと、このゲームは無印で実装されているのは、セーブデータが着ている服の画像データに埋め込まれて出力されるので、ゲームを停止していても何が何のセーブデータなのか分かる。よって、セーブデータを友人と簡単に交換できるくらいのものだ。そんな訳で、このゲームは無印で何も実装しなければ、三日もあれば飽きてしまうだろう。

 しかし、実際にはそうにはならなかった。まずは無料の追加・修正ファイルのサポートにより世界が広がった。追加・修正ファイルにより、体型変更のスライダーがついた。これにより、胸、身長(妹&姉スライダー)、ツリ目たれ目、太もも、二の腕、ウエストの太さと、おっぱいの柔らかさの変更が可能。これで、さらにキャラに変化をつけられるようになった。


 (でも、胸大きくすると他のポリゴンがめり込むこともある)

 それと、Print Screenキーを押すことでPNG形式でのスナップショットが撮れるようになった。まあ、適当なツールを使えば、そんな機能がなくとも好きな画像を撮ることはできたのだが、簡単に撮れるようになったのは進歩だろう。ただ、この時点では、残念ながら、ちょっと改造しないと好きなポーズで撮影できないという致命的な欠点があった。

 しかし、それも有償の追加ファイルであるXPの登場で解消される。このXPにより、待望のポーズエディタが実装された。つまり、好きなポーズが誰にでも(苦労をいとわなければ)、作れるようになったのだ。しかも、複数のキャラクターを好きな格好で、好きな背景で、好きな位置に配置できる。

 つまり、自分の好きなシーンを、このソフトでつくることが可能になったのだ。まるで、ある種のツクール系のソフトみたいになった。このゲームの掲示板に色々な画像がUPされ、大いに盛り上がった。

 ただ、これ実際やってみると、自分で持っていながら、人間の手の構造に怒りをぶつけたくなること必定だ。なにせ、片手だけで指が5本、それにさらに間接があるのだ。物を持たせるだけで気がつくと数時間たっている

 要望を言わせてもらうなら、せめて、人間の間接では不可能な動きはできないモードをつけて欲しかった。それと、顔のモーションがあまりに特殊すぎてキツイ。なにせ、アゴと歯列が独立して動くとか、嫌がらせとか思えない。まあ、色々と文句は尽きないが、それでも自分で好きなシーンを、光源の方向も含めて自由に設定して撮影できるのは大きな魅力だ。


(死にそうなポーズ作成画面)

 さらに、このゲームの拡張性を広げている理由のひとつにmodがある。因みにmodと言うのはパソゲーの拡張パックのことを言うが、普通はメーカーでない個人が造ったものだけを示すのが普通だ。このmodが、このゲームにも存在する。これが豊富で、ゲームを盛り上げてくれる。

 どれだけ豊富かと言うと、2009年12月中旬の調査で、modの量は、16000種89000個、40GB超とのこと。一万六千種というと、だいたい現生のアリ・ハチの仲間ぐらいの種類あるってことだ。改めて見ると、そのキチガイぶりが、よく分かる。

 『3Dカスタム少女』の発売日は2008年6月13日なので、たった1年半の間に、ここまで達したことになる。平均すれば1日29種ぐらい増えている計算になる。インフルエンザもびっくりの進化スピードだ。最近は下火になったが、それでも毎日何らかUPされているので、それをチェックしているだけで、それなりに時間が潰れる。

 これだけ種類があるので、modが扱う幅も広い。エロゲーらしいSM用具一式から、なぜか本製品で採用されなかった普通のワンピース等の平服から始まって、お約束の版権キャラクターの再現部品(東方やら何やら)、背景、モーション、自作のHシーン、キャラクターのボディそのもの(丸顔やら半目やら、何をしても胸が大きくならないツルペタやら)、もはや何に使うのか分からないマニアックな銃器やら、それすら超えて携行兵器ですらない20mm対空砲(FLAK38)まで呆れるほどの品揃えだ。

 導入に関しては非常に楽だ。改造したデータが入ったtahファイルを、あるフォルダ(arcsフォルダ)に入れるだけ。基本的には、これで終わり。元々のゲームが、温泉地の旅館以上に簡単に拡張できるように作られていたのが、よい結果をよんでいる。

 ただ闇雲にmodを導入しまくると問題が発生する。まずは、modであるtahファイルの内部の分類コードが重複してしまうことがある。すると、表示されなくなったり、異常が出たりする。だから、それ様のツール(TDCG Explorer等)で重複チェックをした方が良い。

 あと、tahファイルが増えすぎると起動に時間がかかるようになる。これに関しては、各modのtahファイルを、4Gを上限にして統合させてしまえば良いという天才的発想をした方がいる。そのために、大量のtahを4G毎に1つのファイルに統合するツールもつくられた。しかし、上限4Gでファイルを統合すればいいというのが、普通にGJ!と言われてしまうのが、このゲームのmodの異常な多さを表している。

 恐るべきことは、これらのmodをつくるツールが公式に製作された代物ではないってことだ。各種ツールは、内部のデータを解析したりして自作されている。その作者さんの努力のおかげで比較的簡単にmodを作成することができるのだ。

 実際、何らかのポリゴン製作ソフトとテクスチャをつくるソフトがあればOK。お勧めは、3D描画はMetasequoia(シェアウェアの無料サービスだけでもかなりOK)、2Dのテクスチャは金があればフォトショップ、なければフリーウェアのGIMP、あとは各種ツールでほとんどの物は製作できるだろう。あと技術とセンスがあれば理想だが、多分、ちょっとした要領の良さとやる気と根気さえあれば何とかなる程度だ。

 改造するのに一番簡単なのは、色を変えることだろう。これなら初心者でも簡単にできる。ファイルをバラしてテクスチャの部分の色をグラフィックツールで変えて際梱包するだけで良い。まあ、もっと簡単なのは、スケスケにすることだ。レイヤーの透明度をあげればそれでOK!、簡単になんでもエロ衣装に早変わりだ。自分もこのあたりから練習をした。

 そして練習をつんで、非常に簡単なものだが、自作のmodをつくってみた。アホ毛の中にホイップ髪(「みなみけ」の千秋みたいなの)がないので、それを少し。ホイップ髪なら構造は単純、しかも髪はすばらしい職人さんがテクスチャを半自動に貼って色違いを製作するツールをつくっていただいているので、楽にできるだろうと踏んだのだ。下の図が完成作品だ。


(実はmodがないと、これが最小の等身と胸の大きさなんだ)

 ただ、このゲームの場合、常識外れだったのはユーザーの方だけでなく公式の方もアレだった。その公式が進めた企画があるのだが、その名前から嫌な予感する代物だった。その名も「テックアーツ3Dはエロゲ環境の未来を提案します」だ。まあ最初は、ヘッドマウンドディスプレイで立体視するというバカ企画になっている。購入費が26万円というのがアレだが、まあこれはいい。

 問題は次の企画だ。実際に3次元物なのだが、あまりの斜め上の企画に、その内容を予想しえた人間はいなかっただろう。この世には、オナホールを電動で動かすハンズフリーオナホールという機械がある。この会社は、このハンズフリーオナホールを製作している会社と提携し、『カスタム3D少女』の動きと、それと連動するようにしたのだ。そのためのパッチも配布するのに飽き足らず、「3Dカスタム少女電動オナホールバーチャルオナニーセット(これが未来のオナニーだ)」を販売する始末。冗談でなくマジに売っているのが本当に恐ろしい。

 次は番外編で、「これは全宇宙エロゲー至上初のフェイストラック機能の無料配布になるだろう。」という煽り文句とともにフェイストラック技術を採用するパッチをあげてきた。流石は、Tech Arts 3Dさん、相変わらず、技術の役者不足さには余念がない(一応褒め言葉)。これはディスプレイの上にWebカメラを設置すれば、マウスを使用せずに、顔の位置の方向から『カスタム3D少女』の女の子を見ることができるという機能だ。無料配布という剛毅なパッチなのだが、私はWebカメラを持っていないので、試したことはない。

 次になにをやるにか気になっていのだが、第3弾はそんなに悪い代物ではなかった。3Dプリンターをあつかう会社と連携し、『3Dカスタム少女』で製作したキャラクターデータを色つきで立体化してくれるというものであった。

 因みに価格は100立方cmで4900円、150立方cmで7000円、200立方cmで8400円。150から200立方センチもあれば、服が張り出してなければ1/10サイズのフィギュアを造れるので、そんなに悪い値段ではないだろう。完成品の精度がよく分からないのがガンではあるが。ただ、『3Dカスタム少女』自体が軽快さを重視していて、ちょっとポリゴン数が少ないので、それをデータにする価値が低い気もするのだが・・・・・・。

 さらに最近は、このソフトを使った描画ソフトのmodも急速にレベルアップしていて、本当に、あれもこれもできるツールに進化している。現在も、進行形で、MikuMikuDance用のファイルを出力ツールが製作中というワクワクする展開がおこなわれている。

 ただ、エロ成分が急速に弱まっていて、これって、そう言えばエロゲーだったよなって思うこともあるのだが。

(タコマロ)

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